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「新生児の抱っこ、M字じゃなくて大丈夫?」に、対応できる新生児期の股関節と抱っこの根拠

抱っこ・おんぶのおはなし
抱っこ・おんぶのおはなし支援者むけ

産後ケア・健診・訪問支援・子育てひろば等に関わる助産師・支援者むけ

新生児のママからの相談「抱っこ紐に入れると足がM字にならないんです」「この体勢で赤ちゃんは苦しくないですか?」これらの質問は、抱っこの相談支援の現場でよく聞かれます。しかし、忙しい業務の合間に、次々と新商品が出る抱っこ紐の仕様をひとつずつ調べる時間はなかなか取れません。

ですが、「赤ちゃんの解剖生理と発達の根拠」を理解しておけば、どのような抱っこ紐でも現場で対応しやすくなります。

今回は、「新生児が落ち着きやすい、股関節と背骨の発達に基づく、抱っこの姿勢」について要点を解説します。新生児から股関節を守ることは、一生の歩行に影響します。健やかな股関節の成長のためにできることを伝えられると、支援者としての信頼がより強くなると思います。

新生児から、歩行できる年齢になっても使える抱っこ紐。安全で快適な使い方を伝えるポイントについて、自分の都合にあわせて学べる70分のコンパクトな講座もあります。🎓 修了証が発行されます。助産師の方は、アドバンス助産師の更新にもご利用いただけます。

ポイント1:生後2週までは「無理に外転させない」が鉄則

「抱っこ紐=脚はM字」というイメージが定着していますが、特に生後2週間までの赤ちゃんは前方への屈曲優位の姿勢をとっており、股関節の開き具合に注意が必要です。

生後2週間まで
  • 股関節の状態: 外転・外旋はわずか、もしくはほとんどしません。
  • 相談対応のポイント:寝かせたまま、もしくは、抱き上げたままの「前方に膝が曲がっている脚の形」で抱くことが大切です。無理に股関節を開かせてM字を作ろうとする必要はありません。
  • これも試してみよう:赤ちゃんのお股を大人の方へ向かせると、M字型の開脚姿勢をとりやすいことがあります。
開脚具合の変化

生後6週を過ぎるころから、自然と外転・外旋を伴うM字型の開脚姿勢を取れるようになっていきます。その後も、抱っこの時に意識したいM字の開脚姿勢は、月齢に応じて変化していきます。この点を理解しておくと、新生児ママには「今はこれで大丈夫ですよ」と根拠を持って話せます。

ポイント2:背骨の「し」の字カーブと密着感

新生児の背骨は、緩やかな「し」の字カーブ(Cカーブ)を描いています。ママの子宮の中におさまっていた、丸まったような姿勢です。

無理のないM字型の開脚姿勢を取れると、緩やかなカーブを保ちやすく、密着しやすくなります。

  • 姿勢の保持: 背中全体を適切に支え、「し」の字カーブを保つことで、赤ちゃんの体幹が安定します。
  • 密着の効果: 養育者の体と隙間なく、広い面積で密着することで安心感が生まれ、緊張や反り返りを防ぐことができます。

密着感があると安定するため、抱っこする大人も楽に抱っこできます。楽になると、心にもゆとりが生まれやすいです。産後間もないママが、楽に赤ちゃんを抱っこできることは、産後うつ予防の観点からも大切にしたいポイントです。

ポイント3:抱っこ紐の使用可能時期を確認する:新生児期は個体差が大きい

実は、最も大切なことが、「新生児期は個体差が大きい」ということ。出生体重、身長、在胎週数はもちろん個々に異なる上に、医療的なケアの要否や程度も異なります。

一般的に「新生児期から使える」と記載されている抱っこ紐は、「3.2kg〜」「生後14日〜」と併記されていることが多いです。抱っこ紐メーカーのホームページ、取扱説明書に詳細が記載されています。抱っこ紐によっては、製品のラベル、タグに記載されていることもありますので、確認してみましょう。一例として、ラベルのある場所を4種類、下記にまとめてみました。

体重、週数は大切な目安です。加えて、手持ちの抱っこ紐が、目の前の赤ちゃんに適合しているか、抱っこひもの装着ポイントを満たせるかを確認して判断します。

当協会の抱っこのリーフレットでは、抱っこ紐の中の赤ちゃんについて、M字開脚のOK、NGを紹介しています。新生児期はうまくOK画像のようにならないことがあると思います。抱っこ紐の股幅が赤ちゃんに合っていない場合もあります。

体重、身長、脚の長さ、胴体のおさまり具合などを総合的に判断して、赤ちゃんに合う抱っこ紐を選べることが理想です。個々の親子にあう抱っこ紐の選び方や調整方法について詳しく相談できるのは、ベビーウェアリングコンサルタントです。お近くにいる場合は、相談に乗ることができると思います。

今日の現場から使える!ワンポイントアドバイス

新生児のママから抱っこ紐を使う時のM字開脚について聞かれたら?

新生児期は…

  • 生後すぐの赤ちゃんは、まだ足が開かないことが普通
  • 無理に股を広げず、赤ちゃんが手足をキュッと丸めている自然な姿勢のまま抱っこ紐で支える
  • 抱っこ紐を使う時は、広い面積で密着
  • 抱っこ紐の使用開始時期を確認

これで、ママからの「新生児の抱っこ、M字じゃなくて大丈夫?」という疑問に対応できるようになると思います。

まとめ

いかがでしたか?解剖生理の視点があれば、抱っこ紐のメーカーや種類が変わっても自信を持って相談対応できると思います。

ママも赤ちゃんもデリケートな時期だからこそ、親子に寄り添って、不安を安心に変えて、育児を楽しめるように支援していきたいです。

【さらに深く学びたい支援者・専門職の方へ】

日本ベビーウェアリング協会では、助産師、子育て支援者等の皆様へ、抱っこ紐の安全・快適使用に関するベビーウェアリング講座を開催しています。

どんな職種の方が受けている? 保健師、看護師、助産師、ドゥーラ、保育士、医師、理学療法士、作業療法士、整体師の方々が学んでいます。

どんな場所で活かせる? 産後ケア施設、小児科・産婦人科、産後ケア施設、健診、訪問相談・支援、子育てひろば、保育園などがあります。

忙しい日常でも、効率よく知識をアップデートしたい方は、基礎講座がおすすめ。最もよく使われるバックル式抱っこ紐に絞ったポイントを学べるから、業務に活かしやすいです。忙しい方でも、ご自分の都合にあわせて受講できる70分の動画講座です。

参考サイト

他にも、ベビーウェアリングに関連する文献等を集めたページもあります。随時追加中です。ご参考ください。


JaBAでは抱っこ紐の安全・快適な使用方法の啓発を進めて、親子の笑顔を増やしたい仲間を、随時募集しています。下記ページよりお待ちしております。

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