地域の母子支援に新風!ベビーウェアリングコンサルタントと協働するかしわ助産院の素敵な取り組み
今回は福島県西郷村にあるかしわ助産院の代表、助産師の佐藤さんによる、地域の母子支援における新たなアプローチをご紹介します。看護学生への抱っこに関する実習や、地域の助産院としての役割について、詳しくお伝えします。
看護教育も担う、地域の助産院
お話を伺ったのは、福島県にあるかしわ助産院代表 助産師の佐藤さん。長年の病院勤務の後、地域の助産院として当院を開設されました。
佐藤さんは行政委託の”こんにちは赤ちゃん事業”や乳幼児健診の他、訪問・来所による相談及び産後ケア等を通じて、地域の母子を支えています。白河市助産師会の代表としても活躍されており、地域の母子保健にご尽力されています。
さらに、かしわ助産院は、看護学校の母性看護学の外部実習先となっています。助産院と市町村委託の子育てひろばで学生実習が計画されています。
赤ちゃんの抱っこを初めて体験する学生さん
学生さんの多くは、赤ちゃんを抱っこする経験がありません。実習では、2022年の学生実習受け入れ時より、子育て中に欠かすことのできない”抱っこ” や ”抱っこ紐”のについて、学べるようになりました。
専門的な内容となるため、地域で活動するベビーウェアリング・コンサルタント(抱っこ紐の専門家)に協力を依頼されたそうです。専門家から抱っこについて学び、学生の皆さんは”抱っこ”への意識が変わりつつあるそうです。
看護師国家試験の一つ、地域母子保健
看護師国家試験には、地域の支援センターについての出題があります。地域実習で経験していたことでスムーズに解答できたと、看護学校の教務が話されていたそうです。地域の助産院や子育てひろばなどで学んだ学生の皆さんが、退院後の生活や地域を意識して看護できる看護者になれると思います。
産院での出産・退院後、ママたちは自宅に戻って育児をしていきます。そのママを地域ぐるみで、支える。その歯車の一つに、助産師・看護師がいると考えられます。
多様な専門家が親子の笑顔を支える
地域の助産師会主催で、ベビーウェアリング・コンサルタント(抱っこ紐の専門家)を講師に、助産師が抱っこ紐について学ぶ機会を設けています。保健師・助産師の引き出しを広げる、という姿勢で学んでいるそうです。
学ぶことで、抱っこ紐の選び方が専門的であることが理解できるそうです。そして、親子のメリットを最優先にすると、抱っこ紐の相談は、専門家にバトンを渡すことが大切という認識を深められたそうです。助産院で様々な相談を受ける際、少しの工夫で改善できそうな抱っこのアドバイスはするそうです。しかし、目の前の親子に合う抱っこ紐の選び方、調整など、より専門性の高い話が必要と感じると、抱っこ紐の専門家を紹介し、相談を受けるよう促すそうです。
専門家にバトンを渡すことで、授乳、産後のメンタル、育児相談など、助産師としての専門性を更に磨け、注力することができます。多様な専門家が、それぞれの専門性を発揮して、親子の笑顔を支える。”協働”という意識があれば、どんな地域でもできそうです。
抱っこひもの選び方ガイド
行政経由のママからの助産師相談、さらに、看護学生の実習の中で、日本ベビーウェアリング協会刊行の「抱っこひもの選び方ガイド」が活用されています。いづれの場面でも、わかりやすいと好評を得ているそうです。
また、知識アップデートの参考資料として地域の保健師さんへも、ガイドを配布して下さっているそうです。
まとめ
佐藤さんの活動は地域の母親たちにとって心強い支えとなっていることが想像できます。抱っこ紐選びのガイドや助産師会の勉強会を通じて、助産師さんの”抱っこ”に関する情報アップデートをお手伝いができていると思います。これは、母子の絆を深めること、助産師業務へ集中すること、この2つの手助けにも繋げられていると思います。これからも、佐藤さんのような熱心な助産師たちが、地域の産後ケア・子育て支援に貢献し続けることを期待しています。
かしわ助産院の詳細はこちらをご覧ください。
かしわ助産院 https://www.midwifemap.com/mysite/kashiwa/
日本ベビーウェアリング協会では、抱っこ紐を安全・快適に使用するためのポイント解説をした資料を作成・公開しています。自由に閲覧、印刷などしてご利用できる他、印刷版の受注も承っています。
地域によっては、子育てひろばや自治体の窓口に置いている場合もあります。お住まいの地域の近隣に置いている場所をお調べすることもできます。お気軽にお問い合わせください。
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