4月。いろんなことが新しい環境になる方もいらっしゃると思います。新しい環境では、心が落ち着くまで少し時間がかかることもあります。そんな中でも、子どもは日々成長していきます。忙しい時でも、パパ・ママにとって簡単にできるリラックス方法、実は「抱っこ・おんぶ」かもしれない?というお話です。今回は、国内外の研究論文を紹介し、日々の生活でどのように関係があるか考えてみます。
乳幼児の育児真っ只中なパパ・ママに、読んでいただけたら嬉しいです。また、乳幼児の養育者向けに子育て支援をされている方にも、普段の業務にお役立ていただけますと幸いです。
ハグで親子双方に安心感
2020年に、東邦大学の吉田さちね先生が、両親のハグによって乳児がリラックスすることを研究から実証されました(東邦大学プレスリリース「両親のハグによって乳児がリラックスすることを実証」)。
この論文では、ハグ(抱きしめる)することで乳児がリラックスすることが記載されています。加えて、両親も自分の子どもをハグすることで、安心感を自覚することが分かったそうです。この2点から、ハグすることで、親子双方が安心感を高めることが言えそうです。
肌と肌のふれあいで、生理的なストレス軽減
肌と肌が触れ合うこと(SSC:Skin-to-skin contact)は、正期産だけでなく、予定より早く生まれた赤ちゃんやNICUに入院していた赤ちゃん、いづれにとっても、親子双方にとって生理的なストレスを軽減する可能性が言われています。
正期産児とSSC
NICUに入院していた赤ちゃんとSSC
What is the experience of babywearing a NICU graduate? (2020)
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体に合って適切に装着できれば、どんな抱っこ紐でもできるベビーウェアリング
抱っこ紐には形、素材、大きさ、色、それぞれ多種多様です。そんな抱っこ紐の種類別にパパママ(養育者)の使用感を調べた研究があります。2022年に聖路加国際大学から発表された論文で、バックル式、スリング、ラップの3種類の抱っこ紐について、調査されています。
ベビーウェアリングにおけるデバイス別の使用実態とベビーウェアリング時の認識(2022)
こちらの論文では、抱っこ紐の使用中、養育者のほぼ100%が「いらいらする」についてNoと答えていました。言い換えると、抱っこ紐を用いているときには、いらいらしない傾向にあるとも考えられます。しかも、どの種類の抱っこ紐を用いても同様の結果となったそうです。
こちらの論文の考察では、ベビーウェアリングを母子接触の一つとして捉え得ることが記載されています。更に、安全で適切なベビーウェアリングの実践が、肌と肌のふれあい(SSC)のメリットを享受することにつながる可能性も示唆されています。
生活とベビーウェアリング
先述の通り、抱っこには、肌と肌の触れ合いに似た効果が期待でき、ストレスの軽減につながることが分かってきています。その抱っこを助けてくれるツールの一つが”ベビーウェアリング”であると言えると思います。
ベビーウェアリングは「道具を使い、密着して安定した抱っこやおんぶをすること」を意味します(ベビーウェアリングとは?)。赤ちゃんが適切な姿勢をとれていることは大前提として、「密着・安定」の一つの目安は、抱っこ紐の中で赤ちゃんがぐらつかないことが挙げられます。
抱っこ紐が親子の体に合っていて、適切に装着できていると、大人は体の負担を軽く感じられると思います。負担が軽くなるということは、心と体に少しでも余裕ができることに繋がると思います。そこで、笑顔になれたパパママを見たとき、子どももニッコリ笑顔になれると良いですね。
安全で適切なベビーウェアリングについては、「快適抱っこのリーフレット」やインスタグラムの「快適抱っこの確認ポイント!」に詳しく掲載しています。
いかがでしたでしょうか?忙しくて、大人は日常に追われていると感じることがあると思います。それでも、子どもは「抱っこ」を求めて泣いたり、両手を広げて抱っこを求めたり、逆に、そっけなくなったりします。帰宅して、食事作って、お風呂に入れて、寝かしつけ。。。と先々のタスクで頭がいっぱいでも、子どもはお構いなし。そんなとき、ほんの数分でも良い。他のことを投げうって、抱っこをしてみてはいかがでしょうか?兄弟姉妹がいる時は、みんなまとめて、抱っこ、もしくは、抱きしめるだけでも良いと思います。
とはいえ、もちろん、そんな余裕もない時もあるのが日々の暮らし。そんな時は、他に頼れる人がいれば頼り、いない場合はテレビやおもちゃに頼れるなら頼りたいですね。それでも、夜、寝る前に思い切り抱きしめるだけでも、親子共々心がフッと軽くなりそうです。
高い位置で抱っこができると、親子で目が合いやすいですね。小さい赤ちゃんでも、ママの顔をしっかり見つめてきます。首すわり前は、背中、首〜頭の辺りを優しく支えることにも気をつけます。支えることは触れることにもなります。触れ合いにもなるので、お互いに、更に安心できますね。
抱っこなら、近い距離でお喋りできますね。今日はどんなことが楽しかった?お散歩や行き帰りが、コミュニケーションの機会にもなります。
おんぶで一緒にお出かけすると、子どもにとっては、目線が高くなり、新しい発見もあるかもしれませんね。赤ちゃんの腰が安定してきた頃からですと、おんぶがしやすくなると思います。
ちょっと忙しいとき、おんぶで家事。ながら育児ですが、安心できる背中にピッタリくっついたおんぶなら、子どもも落ち着くと思います。でも、料理もそのほかの家事でも、抱っこ紐のベルト、子どもの脚や腕など、安全に十分に気をつけましょうね!
抱っこ紐の選び方、使い方
日本ベビーウェアリング協会では、抱っこ紐の選び方、使い方について、参考にしていただける資料を用意しております。無料で閲覧できますので、ご参考になれば幸いです。
JaBAは自治体・子育てひろば等からの講座開催のご依頼を受け付けております。検討してみたいご担当者の皆様、ぜひ、お気軽にご相談ください。JaBAのスタッフがお伺いできない地域の場合もあります。その場合、近隣のベビーウェアリングコンサルタントをご紹介できますのでご安心ください。
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